ブレーキフリュードは吸湿性の高い液体です。作業は出来るだけ晴天・湿度の低い日に行いましょう。
今回使用したのはRKの「ULTRA ALLOY 70」とホンダ純正ブレーキフリュードDOT4。パッドは当然減ったら交換ですが、フリュードは?走行距離に関わらず、せめて1年に1回は交換しましょう。*パッド同様減ったら交換、って人はいないよね。フリュード自体は密閉状態に近いので、「減る」ということはあり得ないことです。もし、減っているのならばパッドが摩耗したことによりリザーブタンクの液面が下がっているか(実際は減ってはいない)、漏れたかのどちらかです。漏れている場合は早急に修理しましょう。
まず、パッドの側面をヤスリで斜めに削り落とします。これは、「鳴き」防止のためです。私の場合、パッド材の約1/2位を削ります。摩耗した量を確認し易くするためです。
キャリパーの取り外し。ピンプラグを外し、パッドピンを緩めます。ここでは緩めるだけです。キャリパーを固定しているボルトを外しキャリパーを外します。
私のフロントブレーキはNSRの物を移植しているので、パッドはキャリパーを外さず交換することが出来ます。その場合、パッドを装着したままマイナスドライバー等でディスクとのクリアランスを取りますが、ディスクに傷を付けたり、微妙な曲がりを作る原因になるのでお勧めしません。
今回はフリュードを全量交換するので、リザーブタンク内のフリュードを予め抜き取ります。*完全に「カラ」にはしないように。若干量残します。空にしてマスターシリンダにエアが混入すると、マスターのエア抜きが必要になります。
パッドの間に大きめのマイナスドライバを入れ、ピストンを押し入れます。今回はピストンのクリーンアップはしませんでしたが、ピストンが汚れている場合は先に汚れを洗浄しましょう。洗浄した場合は、キャリパーピストンにブレーキフリュードもしくはシリコングリスを塗布し馴染ませてください。
押し入れた分だけフリュードがリザーブタンクに戻るので、再度リザーブタンクのフリュードを抜き取ります。
パッドピンを外し、パッドを取り外します。取り付けるパッドの背面にモリブデングリスを適量塗布します。これも「鳴き」防止のためです。他にパッドと接触するスプリング・パッドピンにも同様に塗布します。パッドをキャリパーに取り付け、キャリパーをフォークに取り付けます。パッドピンを増し締めし、ピンプラグをはめます。ピンプラグにも少量のグリスを塗布します。
*塗布するグリスは必ず「モリブデングリス」を使用してください。パッド面・ディスクプレートに油脂がついた場合は十分に脱脂してください。
ここからはフリュード交換です。
新しいフリュードをリザーブタンクに入れ、キャリパーのブリーダーパイプに10mmのレンチを噛ませ、透明のホースを付けます。ブレーキレバーを堅くなるまで握り、握ったままブリーダーを緩めます。ブレーキレバーを握ったままブリーダーを閉めます。新しいフリュードが出てくるまでこの操作を繰り返します。リザーブタンクが「空」にならないようフリュードを補充しながら行います。*エア抜きも同じ工程です。透明のホースを使うのはエアの「抜け」と新品のフリュードと古いフリュードの色の違いで、フリュードが入れ替わったことを確認するためです。
左右とも同様の作業を行います。最後にリザーブタンク内のフリュードを規定位置まで補充し終了です。
*パッド交換後は「アタリ」が出るまでは余裕を持ってブレーキングしましょう。
ブレーキフリュードは塗装を侵します。微量でも塗装面についた場合、速やかに洗い流してください。ブレーキフリュードは「生もの」です。必ず、新品未開封の物を使用しましょう。
今回の作業時間は全行程で1時間ぐらい。難しい作業ではありませんが、ブレーキ関係のことですので自信のない方は素直にショップに任せた方が良いでしょう。