HID(High Intensity Discharge)の取付

 CBR600FSはマルチリフレクターのお陰で1灯でもそこそこの明るさは確保出来ていますが、やはりナイトランでは不安要素の一つ。流行の白っぽい高効率バルブの導入も考えましたが、600FSのロービーム用のバルブは遮光板がバルブに直付けされている特殊な物で、量販店のバルブは装着できません。そこで、前々から検討していたHIDを導入する事にしました。

 今回使用したのはクレーバーライトより販売されている6000ケルビンの物です。キット内容はバーナーとバラストの二つです。他に揃えた物は遮光管・リレー・ハーネス・高電圧ケーブル・高電圧ケーブル用防水コネクター・H4バルブ用コネクター・ハイビーム用H7バルブ(4300ケルビン)・シリコンシーリング。高電圧ケーブル・高電圧ケーブル用防水コネクターは、バラストとバーナーを近距離で接続可能で有れば必要有りません。

Warning

作業する際は、必ずバッテリーのマイナス端子を外してください。

Attention
ケルビンとは「色温度」の事であり、明るさの単位では有りません。(明るさは「カンデラ・ルーメン」)ケルビン値が上がると、光は青みが強くなり、逆に下がると黄色みが強くなります。四輪などで使用されている純正装着のHIDは4500ケルビン前後の物です。ケルビン値が上がると、カンデラ・ルーメン値は逆に下がります。明るさを求めるので有れば、純正品と同等のケルビン値の物が良いでしょう。

H4用コネクターの加工
 リレーのスイッチング用のハーネスは平端子を使用し、車体のコネクターに差し込んで電源を取るようになっています。これでは接続に不安が有るため、コネクターを使用する事にしました。
 CBR600FSのヘッドライトバルブはH7です。ライトユニットへの取付にはスペーサーをコネクターとバルブの間に入れます。このスペーサーの端子のピッチはH4と同じで、車体側のコネクターもH4の物が使用されています。H7は端子が2つ・H4は3つ有ります。今回私が用意したコネクターは、以前加工した
ボッシュのハーネスから取り外していた物です。(H4のコネクターは量販店で購入出来ます)H4のコネクターから不要な端子(丸囲み)を外します。ハーネスにギボシを取り付け、リレーに接続出来るようにします。

カウル・シートの取り外し
 ロアカウル・アッパーカウルを外します。シート後端をめくり、ボルト2本を抜きシートを取り外します。ECUを固定しているゴムバンドを外し、ECUをずらすとバッテリーケースのカバーが見えます。2本のクリップを外しバッテリーカバーを開け、バッテリーのマイナス端子を外します。

バーナーの取り付け
 バーナーに遮光管を取り付け、バラスト・バーナーを仮組し1分程点灯させ遮光管に「焼き」を入れます。
 消灯後、仮組したバラスト・バーナーを外します。十分バーナーがさめたら、バーナーに付属のスペーサーをライトユニットに合わせて削ります。
 ライトユニットにバーナーを差し込み、スプリングを掛け固定し防水カバーを取り付けます。ハイビームのバルブを購入した物に交換します

バラストの取り付け
 スペースが有ればアッパーカウル内に取り付けたいのですが、その様な「空間」は有りません。今回はシート下にバラストを取り付けました。取り付け位置が曲面で両面テープでは確実な固定が出来ないため、固定には付属の両面テープは使用せずシリコンを使用しました。

リレー/ハーネス・高電圧ケーブルの取り付け
 車体のヘッドライトコネクターから電源を取ることも可能ですが、より安定した電源を取るためバッテリーから電源を取ります。
 タンクを浮かせます。スイッチング用に車体のコネクターからリレーへのハーネスを引きます。高電圧ケーブルとハーネスはタンク下を通しフレーム・ラムエアダクトに沿わせて、アッパーカウルまで伸ばします。
 高電圧ケーブルはあまり長くすると、交流抵抗が変わりバーナーが点灯出来なくなります。出来るだけ短くします。コネクターは必ず高電圧用防水コネクターを使用してください。
 タンク・アッパーカウルを取り付けます。

電源の接続
 リレーのハーネスをバッテリーに接続します。リレーはバラスト同様、シート下に・ヒューズボックスは容易にヒューズ交換が出来るように、タンデムシート下に固定しました。
 接続後、点灯試験を行います。点灯しない場合は、各ハーネスの接続・ヒューズを確認してください。高電圧ケーブルを延長している場合は、長すぎて点灯出来ない場合があります。その場合は取り回しやバラストの取付位置を変えて、出来るだけ短い距離で接続してください。

点灯したら、カウル・シートを取り付け終了です。暗くなってから光軸調整を行います。

点灯状態

 向かって左・HID(ロービーム・遮光管無し) / 右純正ハロゲン(ハイビーム)
 明らかに明るさが異なります。

 HIDのみ。実際に見るともうちょっと白っぽい感じです。

 HID+ハロゲン(4300ケルビン)

 実際の夜間走行では、ロービームのHIDはまずまずの光量です。ハロゲンのハイビームを点灯させても、点灯しているの?と思うぐらい。ハイビームもHIDにすると「最強」なんでしょうけど、HIDは点灯の仕組み上、常時点灯ではないハイビームには不向きです。現在ハイビームはバルブ交換のみなので、リレーを組み込み、対応したいと思います。

※追記(2007年 2月22日)
システムを88ハウス製(4500K)に変更。併せてバラストの搭載位置をタンデムシート下に変更。6000Kから4500Kに色温度が下がった事で、ナチュラルな白さになり、明るさも増しました。