教習のポイント

 運転免許の教習・検定は大きく分けて「法規走行」と「課題走行」に別れます。今回、大型二輪を取得するにあたり、攻略するために私が注意した点等を公開します。

「クセ」の修正
 中型(普通)二輪免許を取得し20年、運転歴は10年。この間に法規走行にそぐわない「クセ」が色々と付いています。まず、普段乗るときからこの「クセ」を修正するようにします。
1・ブレーキレバー、クラッチレバーは指四本で操作
2・キープレフト
3・停車時に右足を接地しない
4・スタンドは乗車時は乗車前に払い、降車時は降車後に掛ける
5・シフトチェンジ時はクラッチを切る
 
私は、250ccに乗り出した頃からある人の影響で、シフトチェンジは回転を合わせるだけでクラッチ操作をしていませんでした。
6・乗車中、「土踏まず」でステップを踏む
7・コーナーリングはリーンウィズでニーグリップをしっかりと
1〜4は大抵の人が該当するのではないでしょうか。特に3は検定中止項目です。5は私特有の事・6はワインディングを走っている人に多い「つま先立ち」の修正です。7も同様。
1週間この点を注意して乗ってみてください。それだけで、随分違います。「そんなこと教習中だけ出来ればいいだろう」と思うでしょう?それが出来ないのが
「クセ」なんです。

ブレーキの使い方
一部の車種を除き二輪車はフロントとリアのブレーキを別々に操作する事が出来ます。走行時はこれを上手く利用します。
フロントブレーキ
制動・停止のためのブレーキとして使用します。
リアブレーキ
速度調節と姿勢制御の為に使います。

乗車姿勢
基本はリーンウィズでニーグリップをしっかりと行います。両足は土踏まずでステップに乗せます。

法規走行
キープレフト

コースの左端から1mの所にラインが引いてあればその上を走れば良いんですが、そんなコースはありません。左手を伸ばしてコースの左端に届くくらいの所を走りましょう。
左折時は車体(ハンドル・ガード)がコース左端を越えない位の所まで寄せます。
速度調整
外周は40km/h以上で。但し、出しすぎは暴走行為となります。750ccの場合、普通に加速させるとすぐに40km/hに達します。出しても45km/h位まで。
旋回時は20km/hまで落とします。外周以外の直線部は30km/hを目安にします。旋回後は速やかに速度を上げます。ダラダラと走っていると、円滑な走行が出来ないと見なされます。「ゆっくり走ってれば安全運転で良い」と言うことではありません。
減速は必ず直進時に。旋回中のブレーキによる減速・シフトダウンは減速不良と見なされます。加速は旋回中でもOKです。但し、急加速にならないように注意してください。外周で40km/h以上の速度が出ている場合は数回に分けてブレーキを掛けます(ブレーキランプを点滅させる)。
旋回中のシフトアップは検定官により判断が変わるようです。避けた方が無難です。
進路変更
コース内での進路変更は右折に伴う事が殆どです。進路変更は変更開始3秒前にウインカーを点けます。30km/hで走行しているとすると、変更開始約30m手前でウインカーを点けることになります。速度を調整(ゆっくり目に)して余裕を持ってウインカーを点けます。ウインカー点滅・ミラー確認・後方直視確認・進路変更開始と一つ一つを区切って行うと丁度良い感じです。進路変更を開始したら、アクセルを開けて早めに変更を終了します。
交差点での右左折
右左折中の速度は徐行(10km/h)です。
右左折30m手前でウインカーを点滅させないといけないのですが、右左折前には進路変更をしなければならないので60m手前でウインカーを点滅させることになります。実際には60m手前でウインカーを点けることは不可能な場合が殆どです。ではどのようにするか?前述のように進路変更時の速度を抑えて、時間稼ぎと距離短縮を行います。
右折時は中央線に車体の一部でもかかると、危険な運転と見なされます。車体突端部が中央線にかからないようにしましょう。出来るだけ交差点のRに合わせて旋回します。右折終了後は左端に付けます。車体が真っ直ぐになったところでウインカー消灯。
右折後、すぐにまた右折するような場合は、ウインカーは点滅させたまま・左端には寄らずに次の右折に備えます。
左折の場合、旋回開始前にミラーで後方を確認します。
右左折後すぐに逆方向へ曲がる場合は、ウインカーを消してから点け直すのではなく、左右を切り替える様にします。
側方通過
これも進路変更を伴います。障害物通過30m前で右ウインカーを点滅させ進路変更します。障害物真横位で左ウインカーに切り替え、通過後側方確認を行い左に寄せます。
停車中は
必ず前後のブレーキを掛けたままにします。シフトは停車前に必ず1stに入れておき、発進に備えます。

課題走行
スラローム

4.5mの等間隔に置かれた障害物(パイロン)を避けながら走ります。基準タイムは7秒以下です。7秒を上回ると1秒単位で減点されます。パイロン接触は検定中止です。
シフトは2ndで、最初の進入はゆっくりと。パイロン通過前にアクセルを閉じて減速させ車体を寝かせます。通過後アクセルオンで加速・車体を起こします。この繰り返しでリズミカルに走ります。速度が出過ぎるときは、リアブレーキで調整します。乗車姿勢はリーンアウトで、ニーグリップをしっかりと行い上体は常に路面に垂直の位置を保ちます。視線は一つ先のパイロンを見るようにします。
一本橋
長さ15m・幅30cm・高さ5cmの峡路を通過します。基準タイムは10秒以上。10秒を下回ると1秒単位で減点・脱輪は検定中止。
シフトは1stです。最初からゆっくり行こうとせず、両輪が乗るまでは普通に走ります。両輪が乗ったところで半クラッチとリアブレーキを使用し速度を調整します。ハンドル操作とアクセルワークでバランスをとります。両操作とも小刻みに行います。視線は遠くに置きます。一本橋延長線上の適当な目標物を決めておくと楽です。私の場合、延長線上20m位の所にS時のパイロンが立っていたので、それを目標物にしました。
波状路
長さ 9.5m、幅 70cm の直線区間に、進行方向に対して垂直に 凸面が不等間隔で配置されている峡路を通過します。基準タイムは5 秒以上・5秒を下回ると1秒単位で減点。脱輪は検定中止。
シフトは1st・立ち姿勢で上体をエンジンの真上より気持後ろに置きます。膝は曲げてショックを膝で吸収します。体重を腕で支えよとすると、加重がフロントタイヤに掛かる・ハンドル操作、アクセルやクラッチワークに支障が出ます。必ず、足で支えてください。視線は10m位先に置きます。一本橋同様の手法でバランスをとります。基本は凸面にタイヤが当たった時にアクセルを開けて乗り越え、平坦部分ではリアブレーキを使用して時間稼ぎをします。上手く行かないときは、小刻みにアクセルを開け閉めして、凸面にタイヤが当たった時に失速しないようにしてみてください。
S字
幅2m・半径5.5mの半円をS字状に配置したコースです。
シフトは2ndで速度がですぎるようであれば、リアブレーキで調整します。走行ラインはコーナー入口と出口はアウト寄りに・中程はイン寄りに走り、出来るだけ旋回角を小さくするようにします。
クランク
道幅は2mですが、私が行った自動車学校はコース内にパイロンが立っており、実際の道幅は1.5m位でした。
S字とは異なり、出来るだけ真ん中を走行します。シフトと速度調整はS字と同様です。
S字・クランクとも、入口・出口は交差点になっていることが殆どで、右左折を伴います。通過後の右左折に備えて、コース進入後速やかにウインカーを点滅させます。
急制動
進入速度は40km/h以上です。停止距離は路面が乾いている場合は11m以内・濡れている場合は14m以内です。
時速40km/h以上で制動開始点を通過後、ブレーキを掛けます。この時のポイントは速度です。40km/h以上出ていればエンジンブレーキがかかっている状態でも減点にはなりません。無理に、定速走行する必要はありません。シフトは3rdで進入します。4thでも良いのですが、3rdのほうがエンジンブレーキが強く効きます。
ブレーキはフロントをメインに。私の場合、リアブレーキはランプを点灯させる程度で殆ど使用しませんでした。また、ブレーキをロックさせると減点となるため、ロックしやすいリアブレーキはあまり強く掛けないようにしたほうが良いと思います。
シフトダウンは行いません。クラッチを切ることでエンジンブレーキを解放する事になります。失敗すると制動距離が伸びるだけでなく、「エンジンブレーキを使用していない」と取られると減点の対象になります。
停車後、1stに入れて発進します。この時、当然右足を接地する事になりますが接地前に必ず右後方確認を行って下さい。また、発進時も同様に後方確認を行って下さい。

長くなりましたが、最低ここに記した事を注意すれば合格は近くなると思います。