クーラントの交換

作業は必ずエンジンが冷えている状態で行ってください。

 定期メンテナンスの一つ、冷却水(クーラント)の交換をやってみましょう。

 用意する物。10mmボックスレンチ・5mmヘキサゴンレンチ・+ドライバー・バケツ・メジャーカップ・オイルジョッキ・クーラント。今回はラジエーターの洗浄をするため洗浄剤も用意しました。バケツは出来るだけ白色の物を用意してください。*クーラントは緑・赤・青など着色されています。排出・洗浄時にクーラントが残っていないか確認し易くなります。

カウルの取り外し。
  クリップ2本とスクリュー3本を外し、センターカウルを外します。次にロアカウル。3本のボルトで固定されています。本来は左右別々に取り外すべきですが、面倒なので分割せずに外しました。エアガイドを固定しているクリップを外し、エアガイドを外します。(エアガイドは外さなくても作業できます)

クーラントの排出。
 バケツを用意しウォーターポンプカバーに有るドレンボルトを外し、ラジエーターキャップを外してクーラントを排出します。有る程度抜けたら、オイル交換と同様に車体を左右に傾けて出来るだけ排出します。排出したら、一旦ドレンボルトをはめてラジエーターの注入口から水道水を満タンに入れ、また排出。排出された水が透明になるまで数回繰り返し、出来るだけ古いクーラントが残らないようにします。

ラジエーターの洗浄。
 今回使用した洗浄剤はHoltsスピードフラッシュ。1本で5〜10Lの容量に対応との但し書きが有りましたので、約1/2の量をラジエーターに注入。後は満杯に水道水を入れラジエーターキャップを取り付け。10〜30分のアイドリングもしくは走行と使用方法に記入されていたので、しばらくアイドリングさせました。15分程アイドリングさせましたが、水温は余り上がらないので近所をぐるっと一回り。それでも水温が上がりません。

 自宅に戻りサイレンサー出口にウェスを突っ込みバッフル代わりにして、水温計が80度を超すまで2,000rpmをキープしてアイドリング。なぜ80度を超すまでかと言うと、サーモスタットが開く温度が約85度。完全に洗浄剤を循環させるためにはサーモスタットを開かせる事が必要です。*ノーマルのNC29では水温計に温度表示が有りません。水温計の針が左から2/3位まで来れば十分です。
 エンジンを停止し十分に冷まします。エンジンが冷えてしまったらクーラントの排出と同様の手法で洗浄剤を排出します。*
高温のまま作業すると火傷する事もありますし、熱いままのエンジンに冷たい水を入れると最悪の場合、エンジンブロックにクラックが入りエンジンを破損する事が有ります。

クーラントの注入。
 冷却水を作ります。用意したクーラントを元に、今回は約20%の冷却水を作ります。NC29の場合、冷却水容量は約1.8Lです。用意したクーラントは90%の濃度の物なので約400cc使用し1.8Lの冷却水を作りました。
 冷却水をラジエーターに注入し、エンジンを始動。ウォーターポンプが回り、エアが出てきますので、その分冷却水を補充(注入口いっぱいまで)しラジエーターキャップを取り付けます。リザーブタンク内の冷却水を排出し、新しい冷却水を規定量入れます。こぼれた場合は水で洗い流してください。
 カウル類を取り付け終了。

 換えたからといって劇的な変化が有るわけでは有りませんが、エンジンを長持ちさせる一つの手段です。せめて2年に1回は交換しましょう。
 洗浄剤を使った洗浄はクーラント交換2回に1回の割合で十分です。